イタリアには各地に色んなご当地パスタがあります。
今ではイタリア中どこでも食べられるパスタもあるとはいえ、やはりその土地その土地の食文化を大切にするイタリア。できれば本場で味わいたいものです。
美味しいカルボナーラは色んな町で見つかると思うけど、やはり本場ローマで食べたいと思うわけです
ではシチリアで食べておくべきパスタは何なのか?
ということでこの記事では、シチリアが本場、あるいはシチリアが名産の食材を使ったシチリアのパスタを厳選して5つご紹介します。
どのパスタを注文すればいいか迷ったらぜひ参考にしてみてくださいね。
パスタ・アッラ・ノルマ(Pasta alla Norma)
シチリアで2番目に大きい町カターニア発祥のパスタ・アッラ・ノルマ(Pasta alla Norma)。トマトソースと揚げナスのパスタで、上にリコッタチーズをかけて頂きます。
リコッタチーズは、発祥地のカターニアではリコッタ・サラータ(塩味のリコッタ)が、北東部メッシーナではリコッタ・アル・フォルノ(オーブンで焼いたリコッタ)が使われます。
「パスタ・アッラ・ノルマ」という名前はカターニア出身の大作曲家ベッリーニの傑作 “Norma(ノルマ)” に由来します。もともとは名もない家庭料理だったのですが、トマトソース・揚げナス・リコッタチーズの組み合わせが最高に素晴らしく、「これはまるでノルマ(傑作)だ!」と言われたのが始まりと言われています。
家庭料理なので再現できそうですが、ナスは日本のものと食感が微妙に異なりますし、良質のリコッタ・サラータを個人が日本で手に入れるのはなかなか難しいもの(筆者経験済み)。ぜひ本場で食べて帰ってくださいね。
パスタ・コン・レ・サルデ(Pasta con le sarde)
続いて、州都パレルモ発祥のパスタであるパスタ・コン・レ・サルデ(Pasta con le sarde)。日本語で「いわしのパスタ」です。アラブ統治時代(9~11世紀)に誕生したと言われている、歴史と伝統あるレシピです。
このシチリアの「いわしのパスタ」は名脇役ぞろいのパスタで、いわしの他に松の実、レーズン、そして野生のフェンネルが入り、さらに最後にカリカリに炒ったパン粉がたーっぷりかけられます。
パレルモではブカティーニという穴の開いたパスタを合わせるのが主流ですが、お店によって様々。パスタの種類だけでなく、レシピもそれぞれのお店で全然違いますので、何回でも楽しめるパスタです。
パレルモ地域を旅行中、毎日違うレストランで「いわしのパスタ」を食べましたが、それぞれお全然違いました。
パスタ・コン・イ・リッチ・ディ・マーレ(Pasta con i ricci di mare)
旅行雑誌などで取り上げられることも多い、有名なシチリアのウニのパスタ。磯の香りが口に運ぶ前から感じられ、濃厚なウニは食べた後に余韻をずっと楽しみたくなるほど。
素材の新鮮さにこだわるお店が多いシチリアなので、仕入れがあったときにだけ提供するというお店も多数あります。そのため、レギュラーメニューに書かれていない場合もありますので、店員さんに聞いてみてください。
パスタ・アル・ネーロ・ディ・セッピア(Pasta al nero di seppia)
説明は不要ですね。この真っ黒なビジュアルが先行して名前だけ有名になったような気がしますが、このイカ墨のパスタ、実はシチリア島が発祥と言われています。
イカのうまみが凝縮されたソースには、よくスパゲッティやリングイネが合わせられます。こちらもウニのパスタ同様、仕入れがあったときのみの提供であるケースがあります。
一度チャレンジしてみたいな、と思っている方も多くいらっしゃるのでは?それだったら、ぜひ発祥地のシチリアで食してみてください!
パスタ・コン・ラ・ボッタルガ(Pasta con la bottarga)
ボッタルガ(bottarga)は、基本的にボラの卵巣を使ったカラスミのことを指します。が、マグロがよく取れるシチリアはマグロのカラスミ(bottarga di tonno)も有名です。
珍味と言われますが、たらこを食べる私たち日本人には馴染みやすい味だと思います。カラスミの塩気がたまらないパスタ、一度おためしあれ。