シチリアの内陸ピアッツァ・アルメリーナ近郊にある、世界遺産のヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ(カサーレ荘)。
ローマ時代の貴族の別荘で、そのほとんどの床に施された精巧なモザイク画をじっくり見ようと思うと最低でも半日を要するほどの広さがあるので、移動も考えるとほぼ1日がかりの観光です。
しかし!
カサーレ荘の他にも2か所、ピアッツァ・アルメリーナの近くにとても興味深い場所があると聞きつけ、わたくし行ってまいりました。
ということで今回の旅レポは、【ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレと併せて行きたいスポット!】と題しまして、
- モルガンティーナ考古学遺跡地区
- アイドーネ考古学博物館
を訪れたときのことをレポートしていきます。歴史好き・遺跡好きな方は必見です!
チケットについて
管理人はカサーレ荘を訪れたときに、お得な共通チケットを購入しました。
カサーレ荘・モルガンティーナ考古学遺跡地区・アイドーネ考古学博物館の3か所に入場できる共通チケットが14.00€で3日間有効です。
都度支払って入場することもできますが、考古学遺跡地区も博物館もそれぞれ6.00€かかります。
カサーレ荘の入場料が10.00€なので、たとえ考古学遺跡地区と博物館のどちらかしか行けなくても、共通チケットを購入した方が断然お得です!
モルガンティーナ考古学遺跡地区(Area archeologica di Morgantina)
モルガンティーナ考古学遺跡地区とは?
ピアッツァ・アルメリーナから車で約15㎞(後述のアイドーネからは車で約4㎞)のところに、モルガンティーナ考古学遺跡地区があります。
この遺跡地区は約20ヘクタールとかなり広く、南西から北東へとのびるセッラ・オルランド(Serra Orlando)というエリアと、チッタデッラ(Cittadella)と呼ばれる丘から成っています。
最も古いのは後期青銅器時代に入植が行われたチッタデッラですが、最も繁栄したのは大体紀元前5世紀から入植が行われたセッラ・オルランド。多くの遺跡が残されています。
2000年以上も前に繁栄した町を歩く!
チッタデッラは少し離れており、徒歩で行くのはかなり大変なので、基本的にセッラ・オルランド内を見学することになります。
駐車場もチケット売り場もセッラ・オルランドの端っこにありました。
このエリアだけでもかなり広く、起伏があったり足場の良くないところを歩いたりするので、かならず運動靴で行くことをおすすめします。
このセッラ・オルランド内の遺跡には、浴場や商店や、広場、家など生活感溢れるものもたくさんあって非常に興味深かったです。
一部にはモザイク画も残っていました。
また、シラクーサやタオルミーナの劇場と比べると小規模ですが劇場もあり、「ここで実際に暮らしていた人々がいるんだなあ」と、2000年以上も前に繁栄した町への想像を掻き立てます。
石階段の一部に貝殻も見つけました。ここはシチリアの内陸部のど真ん中!ここまで運ばれてきていたのですね。
そして、このモルガンティーナから見るシチリアの果てしない大地!この景色を見ながら、当時の人は何を思って暮らしていたのでしょうか。
シチリアの他の地域でもこういった遺跡がたくさん見つかっているとはいえ、このような大自然の中、周りには何もなく町がそのまま取り残されているかのように佇んでいて、
「ここに本当に町があって人が暮らしていたんだ」
と感慨深いものがありました。
モルガンティーナ、行ってみてよかったです。
施設情報
【Area archeologica di Morgantina・モルガンティーナ考古学遺跡地区】
◆開館時間:事前の確認をおすすめします。(こちらから確認できますが伊語のみです)
◆入場料:6.00€/カサーレ荘・アイドーネ州立博物館との共通チケット14.00€
※こちらから施設内の地図が確認できます
※モルガンティーナへのバスはないので、レンタカーか専用車、あるいはタクシーの手配が必要です。
アイドーネ考古学博物館(Museo Archeologico di Aidone)
アイドーネ考古学博物館とは?
ピアッツァ・アルメリーナから東へ車で約10kmのところに、アイドーネ(Aidone)という人口4,900人ほどの小さく可愛らしい町があります。
そのアイドーネの中心部に、さきほどのモルガンティーナ考古学遺跡地区で発掘されたものを展示している博物館があります。
シチリアの内陸部らしい、シンプルでやさしいブラウンの造り。実はもともとは修道院であった建物を改装して造られたため、中には美しい礼拝堂もあります。
想像以上に展示物がたくさん!
博物館には、青銅器時代から古代ローマ帝国時代(共和制ローマ)までの発掘物が時代ごとに展示されています。
また、紀元前の壺がそのまま廊下に並べてあったり…かなり近くで詳細に見ることができます。
かなり保存状態のよいものもたくさんあり、装飾の細やかさは見ていて飽きませんでした。当時のアクセサリーなども興味深かったです。
正直、アイドーネが小さな町なのでそんなに大きい博物館ではないと思っていたのですが、2階建で展示数も想像していたよりずっと多く、とっても満足でした。最低でも1時間ぐらいは確保の上で行きましょう!
施設情報
【Museo Archeologico di Aidone・アイドーネ考古学博物館】
◆開館時間:事前の確認をおすすめします。(こちらから確認できますが伊語のみです)
◆入場料:6.00€/カサーレ荘・モルガンティーナ考古学公園地区との共通チケット14.00€
※出口付近にお手洗い有。
◆行き方:
ピアッツァ・アルメリーナからバスで移動できます。(※冬はバスの本数が激減します)
- バス会社:Interbus社(運行はEtna Trasporti)
- 料金:片道1.90€/往復3.00€
さいごに
モルガンティーナ考古学遺跡とアイドーネ考古学博物館、いかがでしたか。
ツアーでは厳しいかと思うのですが、せっかくカサーレ荘まで来たなら、大いに行く価値のある2か所です!
とくにモルガンティーナはバスなどの交通手段がないため、レンタカーか専用車、あるいはタクシーが必須になりますが、ピアッツァ・アルメリーナを拠点に1泊すればカサーレ荘を含め3ヶ所は充分周り切れます(※ただしオフシーズンは開館時間に注意)。
個人旅行で時間の許す方は足を運んでみてはいかがでしょうか?
シチリアの世界遺産の概要については下記記事をご覧ください!