お酒大好きな私が思うシチリアワインの一番のお供は、美味しいシチリアのパンとオリーブオイルと塩です。
『最後の晩餐』か
その辺の大量生産のパンではなく、きちっと作られたシチリアのパンは絶妙な塩気があって(「塩!」と思わない程度のほのかな塩気)、素朴で風味豊かで大好きです。
ただ、訳あって糖質制限中の私は、パンの種類や量・タイミングには非常に気を遣っています。
試行錯誤しながらシチリアでのパンライフを送っていたところ、友人の紹介で行ってみた話題のパン屋さんが感動するレベルで最高だったのでご紹介したいと思います。
「シチリアでパンを食べようと思っていなかった!」というシチリア旅行計画中の方もぜひ2分だけ時間を取ってご一読ください!
弁護士からパン屋さんへ
お店の名前は Forno Biancuccia(フォルノ・ビアンクッチャ)。
オーナーは、活き活きと働くビジネスウーマンという雰囲気をまといながらも、穏やかさや柔らかさを失うことのない、ヴァレリアさん。
なんと、彼女は弁護士からパン屋さんになったという異色の経歴の持ち主です。
ヴァレリアさんにとって、パン作りはもともと疲れた頭をリラックスさせる一種のセラピーのようなものでした。
弁護士の仕事が嫌だったからではなく、ただパン作りが好きだったからではなく、
「毎日食べるパンだからこそ、家族には健康にいいものを食べてほしい」
という想いから続けていたことが、パン屋さん開業への道へと繋がったそうです。
ヴァレリアさんに関する記事を読みたいという方はこちらから↓(イタリア語のみ)
シチリア古代小麦を使ったパン
古代小麦とは、一言でいえば品種改良される前の小麦のことを言います。
人口の増加への対応や、そ利便性を追求すべく、収穫量を多くするために品種改良がなされましたが、その代償として、一般的な小麦にはグルテンの量が増えてしまったそうです。
グルテンフリー製品もどんどん出回ってきていますよね
シチリアはもともと古代ローマ帝国時代に穀物貯蔵庫として大きな役割を果たしていたこともあり、小麦の品種も豊富です。
古代小麦の代表格としてはCappelli, Margherito, Russello, Timiliaなどがあり、グルテンが少ないだけでなく、食物繊維やビタミンなども豊富に含まれていることが特徴です。
一般的な小麦粉を使ったパンよりは値が張るのですが、それでも客足は絶えないといいます。
実際に私が買いに行った時も、入れ替わり立ち替わりお客さんがやってきましたが、その多くは常連さんでもう買うものが決まっている人がほとんどでした。
初めて訪れた私は「まだ悩んでるから…」と何人ものお客さんに順番を譲ったほどです。
シチリア古代小麦のパンを実際に食べてみた!
今回3種類のパンとカターニア名物のスキャッチャータ(お惣菜パンのようなもの)を購入しました。
Rusello(ルセッロ)とTimilia(ティミリア)という古代小麦を使った看板商品のパンを食べてみたところ、丁寧に作られたのは素人の私にもわかりました。
こちらのスキャッチャータはチーマ・ディ・ラーパというほのかな苦みが特徴の野菜と、チーズがたっぷり入ったもの。
忙しいときには本当に「エネルギー摂取」「空腹解消」のためだけの食事になりがちですが、一口頬張れば、体に栄養がいきわたり、包み込まれるような感覚になりました。大げさな表現かもしれませんが。
ライ麦やそば粉のパンも、糖質制限中の私には非常に嬉しく、今後素敵なパンライフを送れそうです。
確かに普通に買うパンよりはキロあたり1~2ユーロ程高いのですが、毎日のように食べるものだからこそ、自分を大切にできている気持ちにもなれます。
お世話になっている友人へのお土産にクッキ―を買いましたが、一家全員に喜んでもらえたようです。
さいごに
今回は、カターニアにあるおすすめのパン屋さんForno Biancuccia(フォルノ・ビアンクッチャ)をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
シチリア中のパン屋を巡ったわけではありませんが、ここからたくさんのパン屋を訪れようと、上位にランクインし続けるであろうパン屋さんです。
カターニア駅から徒歩でも十分に行ける距離なので、旅行中でもカターニアを通る場合には足を運んでみてはいかがでしょうか。
一般的なパンよりは日持ちするそうですが、やはりその日か遅くとも翌日に食べるのがいいでしょう。
日本へのお土産にするのは難しいからこそ、カターニアを訪れたら是非一度食べて頂きたい、ヴァレリアさんの愛溢れるパンです。
店舗情報
Forno Biancuccia(フォルノ・ビアンクッチャ)
- 住所:Via Mario Sangiorgi, 12, 95129 Catania CT
- TEL:(+39) 0956681018
- ホームページ:https://biancuccia.it/