クロワッサンといえば、朝食の定番。コーヒーやカフェオレとの相性も抜群ですよね。
イタリアではコルネット(cornetto)と呼ばれますが、夏の間って、なぜか夜にも食べるんです(衝撃)。
しかも夜遅く10時以降(さらなる衝撃)。
朝食の代名詞とも言えるコルネットをイタリア人がわざわざ夜に???
ということでこの記事では、シチリア(イタリア?)の夏の風物詩、夜のコルネットについてご紹介します!
イタリアのコルネット(cornetto)
先ほど「イタリアではコルネットと呼ばれる」と書きましたが、
厳密にはクロワッサン=コルネットではありません。
いわゆるクロワッサンとの違いは、コルネットの生地には卵を使っていることだそうです(表面に塗るつや出し用の卵は別)。食べると分かりますが、生地がしっとりめでクリーム色をしています。
また、フランスのクロワッサンと違って、コルネットは中にクリームやチョコレート、ジャムなどを入れていることが多いです。
余談ですが、ミラノなどの北イタリアの一部で「コルネット」というと、ブリオッシュ(brioche)が出てきます。そして逆にブリオッシュのことをコルネットと呼んでいるのだとか。
ただこれは一種の方言のようなものなので、正式にはあのクロワッサン形のものをコルネット(cornetto)と呼びます。
シチリアでブリオッシュといえば、グラニータ(granita)という夏のスイーツと一緒に食べるほんのり甘いパンのことです。
夜のコルネットは実際こんな感じ
実際どんな感じで売られているのでしょうか?一例をご紹介します。
夏の間、夜のコルネットを出すお店では、店先に上のような看板が置いてあります。
とあり、さらにこのお店の場合は、どんなコルネットがあるかも書いてくれています。
このシーズンは下記の9種類でした。ピスタチオやレモンがシチリアっぽいですね。
- Nutella(ヌテラ)
- Cioccolato bianco(ホワイトチョコ)
- Marmellata(ジャム)
- Crema bianca(クリーム)
- Pistacchio(ピスタチオ)
- Limone(レモン)
- Fragola(いちご)
- Arancia(オレンジ)
- Caffè(コーヒー)
「Caffè(コーヒー)」のスペースが足りなかったけどそのまま書いてるのがなんか可愛い…笑
店内では、夜10時に焼き上がったばかりのコルネットたちが積み上げられています。こんなに積み上げられると、よりおいしそうに見えますね!
下はオレンジとピスタチオのコルネット。この大きさで1個1.5ユーロです。
焼き上がったばかりのコルネットは温かく、表面はサクサク、中は卵が入っている分しっとりしていて美味しいですよ!そして、こんな遅い時間にクリームたっぷりのコルネットを食べるという背徳感で美味しさ倍増です(笑)
朝食で食べるより美味しい説ありますね
なぜ夜にコルネット?
なぜ夜にコルネットを食べるのか。
とあるシチリア人に聞いてみたところ、「日本人も〆にラーメン食べに行ったりするよね。一緒だよ」と言われましたが納得できず…。
コルネットでどう〆るんだよ。
シチリアの夏は昼間がかなり暑い分、夕方から活動することが多く、普通に夜12時頃までイベントが行われたりお店も開いていたりと、とにかく賑わっています。
なので、あくまで推測ですが、〆と言うよりは夜中まで活動するためのエネルギー補給や、家族や友人と夏の夜を楽しむ機会の一つ、といった意味合いの方が強いのかなと思います。
「焼きたてのコルネットを食べに行こう!」というのも、やはり夏ならではのちょっとしたイベントです。
日本人が毎日ラーメンで〆ないのと同様(?)、もちろんシチリア人も毎晩コルネットを食べているわけではありません。
さいごに
シチリアの夜のコルネット事情でした。
機会があれば、一度シチリア人たちに交じって夜のコルネット体験をしてみてはいかがでしょうか?
といった表示を探しながら町を歩いてみてください。
日本の夏にコルネットはかなりキツイですが、シチリアの夏は湿度が低く夜はとってもさわやかなので、大きなコルネットでも案外ぺろりと食べてしまいますよ。