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シチリアのスローフードについて語ります

シチリアのスローフードシチリアグルメ

突然ですが、「スローフード」という言葉を聞いたことがありますか?

イタリアで始まり世界に広まったものの1つで、めちゃくちゃ簡単に言えば、

「自分たちの食文化を大事にしようよ!」

という考え方や社会運動のことです。食材そのものを指すこともあります。

イタリアで始まったものですから、ここシチリアにも早くからこのスローフード運動は広がっていましたが、「たとえイタリア発祥じゃなかったとしてもシチリアには早くに上陸していただろうな!」と思うほど、シチリアにはスローフードに関係する食材が多く存在します。

ということでこのページでは、グルメな方は必見!(必読?)な、シチリアのスローフード食材をご紹介していきます。

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スローフードとは

まず、スローフードについて少しご紹介を。

きっかけは1986年、ローマのスペイン広場にマクドナルドがオープンしたこと。

イタリアの食文化が脅かされることを懸念し、当時食文化に関する雑誌の編集者だったカルロ・ペトリーニ(Carlo Petrini)氏により、ファストフード(fast food)に対してスローフード(slow food)という概念が提唱されます。

その後、ピエモンテ州ブラ(Bra)にてスローフード協会が発足。現在では日本を含む160か国以上、100万人以上のネットワークをもつ国際的な大組織となっています。

もともとは地域の伝統と食、そしてそんな文化をゆるやかに楽しむ生活のスタイルを守ることを目的に発足しましたが、さすがイタリア!と思う反面、イタリアでは普通のことのようにも思えます。

シチリアに関していえば、シチリアのスーパーでシチリアコーナーが設けられたり、野菜にはイタリア産という札のほかにシチリア産という札をつけたりするのもよく見る光景。

また、少々高くても、シチリア産のものや、同じシチリア産でも地元のメーカーのものを買う人も多いです。

シチリアのスローフード

右側にはイタリア産、左側にはシチリア産の表示

大事にしている人が多くても、それが脅かされないように社会運動となり、世界へ広まったのだからすごいですね。

さて、そんなスローフード協会。

地域の食文化・伝統の保護、生物多様性の保護といった視点から、様々な素敵なイベントや企画、プロジェクトを行っていらっしゃいます。

「味の箱舟プロジェクト」

そんなプロジェクトの1つに、Arca del Gusto「味の箱舟プロジェクト」というものがあります。

絶滅の危機にある歴史の深い食べ物の種や生産方法を記録し、守り、後世に残す活動で、スローフード協会が定める基準を見たすものが、まるでノアの箱舟のように、「味の箱舟」に乗ります

2021年3月現在、味の箱舟に乗っている食材は、全世界での登録数は5,475。

そのうちイタリア全体で1,067。

そのうち、なんとシチリアには100もの食材があります!!

シチリアのスローフード

スーパーにもスローフードの表示が

※「味の箱舟」食材の検索はこちらからできます。(伊語・英語のみ)

プレシディオ食材

「味の箱舟」に登録された食材を、さらにパワーアップさせたのがPresìdioプレシディオ食材」です。

これは、食材や商品の生産者に会って生産地域や生産方法についても学び、その技術や知識を発信していくためのプロジェクト。それぞれの商品に設けられた基準を満たしたものに対し、プレシディオのラベルを載せることができます

2021年3月現在、プレシディオ食材の登録数は、全世界の614。

そのうちイタリア全体では342。

そのうち、シチリアでは47ものプレシディオ食材が登録されています!!

シチリアのスローフード

プレシディオのマーク

※プレシディオ食材の検索はこちらからできます。(伊語・英語のみ)

旅行中に楽しめるシチリアのプレシディオ食材

そんなシチリアのプレシディオ食材の中で、旅行中でも楽しめるものをいくつかご紹介します。

ブロンテ産ピスタチオ(Pistacchio verde di Bronte)

ご存知の方も多いかと思います、エトナ山の近くにあるブロンテ(Bronte)という町のピスタチオ。日本のイタリアンレストランなどでも「ブロンテ産ピスタチオ使用」と書かれていたりしますね。

2年に1回(奇数年)の収穫のため希少価値が高く、世界の数あるピスタチオの中でも別格。鮮やかな緑色と豊かな風味が特徴です。

シチリアのスローフード

フレッシュなピスタチオ

毎年秋(9月末~10月あたま)にはブロンテでピスタチオ祭りが開催されます。ごはん系からスイーツまで様々なピスタチオグルメが楽しめますよ。

シチリアのスローフード

ブロンテ産ピスタチオたっぷり使用のカンノーロ

エトナのりんご(Antiche mele dell’Etna)

写真では少し分かりにくいかもしれませんが、奥の木箱に入っているのがエトナのリンゴです。

シチリアのスローフード

奥がエトナのリンゴ、手前左はざくろ、手前右はサボテンの実

サイズは姫りんごのように小ぶり。でも、香りがとってもいいんです。手に取ったら、皮を剥かなくてもその甘い香りが分かります。

スーパーではなかなか見つけるのが難しいですが、季節になると市場で見かけます。1kgあたり3ユーロ弱で買えます。

デリアのクッドゥリレッドゥラ(Cuddrireddra di Delia)

発音が難しいシチリア方言、Cuddrireddra。プレシディオ食材の中でも珍しい、お菓子のスローフードです。

シチリアのスローフード

プレシディオのマークがついています

硬めのクッキーのようなものですが、小麦粉・砂糖・卵に加え、赤ワインとシナモン、オレンジの皮を使用するところがシチリアらしいです。脂分としてはバターではなく、ラードが使われます。

シチリアのスローフード

可愛く面白い形をしています

残念ながらどこでも見つかるわけではないのですが、お土産屋さんや、運が良ければスーパーのシチリア製品コーナーで売られている場合があります。上品な甘さでとても美味しいです。見かけたらぜひ。

ネブロディの黒豚(Suino nero dei Nebrodi)

エトナ山の北側にあるネブロディ山脈で飼育されている土着種が、ネブロディの黒豚(Suino nero dei Nebrodi)です。一般的な豚肉よりも赤身の色が濃いのが特徴。良質な脂身はかむほどに甘みを感じます。

写真はサラミですが、他にもプロシュートやサルシッチャ(ソーセージ)にしたり、シンプルに炭火で焼いたりと、色々な形で楽しまれています。

シチリアのスローフード

黒豚のサラミ

絶滅の危機に瀕したこともある希少な黒豚。市場に出回る数も制限されており、シチリア島内でも見つけるのは難しいです。メニューに”Suino Nero”の文字を見つけたら是非トライしてみてください。

さいごに

スローフード協会では「味の箱舟」プロジェクト、「プレシディオ食材」以外にもたくさんのプロジェクトに取り組まれています。ご興味ある方は公式ホームページへどうぞ。

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